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365日からふるに子育て!第3回:子どもの成長を食からサポート!とくに不足しやすい3つの栄養素とは?

「次世代へ健やかな未来をつなぐ」

ウェルサポの管理栄養士西田です。

「おなかすいたー!」
帰宅して早々、待ったなしの子どもの声に焦って食事の準備に取り掛かることも多いのではないでしょうか。そんな時でも、栄養のあるものを食べさせたいと思うのが親心。

ですが、「一体どんな食事が栄養のある食事なんだろう?」と疑問に思ったことはないですか。今回はその「栄養のある食事の正体」についてお話しようと思います。

幼児期の食生活

幼児期は体も心もぐんぐん成長する頃で、この時期の食生活はそれ以降の成長や発達に大きく影響するといわれています。体に良い食事を目指すあまりに、パパやママは一生懸命になりすぎたり、栄養はとれているだろうかと不安になったり、子どもの好き嫌いや食べムラなどで、悩みが多くなる時期でもあります。

しかし、本来食事という行為自体に副交感神経を高める効果があります。
一番大切なのはストレスに感じすぎず家族全員で食事の時間を楽しむことなのです。

家事や仕事に忙しいパパやママにとって、家族の健康をサポートする食事を効率的に準備することは、日々を円滑にすすめるために大切です。

この記事では、子どももおとなも不足しやすい3つの栄養素に注目し、その働きや効果的なとりいれ方のコツをご紹介します。

1. 不足しやすい3つの栄養素とは

成長や発育にはさまざまな栄養素が必要ですが、食事の内容によっては不足しがちなものがあります。「たんぱく質」「カルシウム」「鉄」は、食生活の変化や体へ吸収されにくい特性があり、中でもカルシウムと鉄はどの世代でも不足しやすく、おとなも意識してとり入れてほしい栄養素です。

①朝食にとり入れたい「たんぱく質」

「たんぱく質」体の材料になるほか、記憶力や集中力にも大きく関わる栄養素。やる気スイッチを押したり、よい眠りと深い関係があります。例えば定番の朝食メニューの「トーストとコーヒーや牛乳」は、たんぱく質はあまり摂取できません。一度に吸収できる量も限られているので、意識して毎食摂取することをおすすめしたい栄養素です。

たんぱく質のとり入れ方
朝ごはんは特に、たんぱく質が不足している家庭が多い印象です。朝はあまり食べないからとご飯だけ、パンと果物だけなど主食に偏ったメニューの時はひと工夫加えましょう。

○ 忙しい朝には、厚揚げや納豆や豆腐、ツナ缶や鯖缶、鮭フレークやしらす干しなど、簡単に利用できる食品を常備しておくと重宝します。

○ チーズとしらす干しを混ぜたご飯や、鮭ご飯、大豆ご飯など、主食にたんぱく質を加えると少食でも効率よくたんぱく質がとり入れやすくなります。

○ 朝食にパンと飲み物だけの時は、サラダに作り置きのゆで卵・目玉焼き、チーズ、ミックスビーンズを加えたり、トーストをフレンチトーストやツナチーズサンドへのアレンジ、ヨーグルトや卵と豆腐のスープなどを添えることもおすすめです。

② ビタミンDやたんぱく質と一緒にとりたい「カルシウム」

「カルシウム」は骨や歯の材料になったり筋肉の動きや心の安定に関わるなど、生きていく上でとても重要な働きをします。体がつくられる時期には、特にとりたい栄養素です。しかし、魚料理を食べる機会が減ったことや、体への吸収率が10~50%と低いため、しっかりとっているつもりでも食べ方によっては体の外に出ていきます。そのため、必要量をとりにくい栄養素です。

カルシウムのとり入れ方
吸収を助けるビタミンDやたんぱく質と一緒にとることで、吸収率が高まり強い骨をつくることにもつながります。

カルシウムを多く含む食品
牛乳・チーズ・ししゃも・木綿豆腐・厚揚げ・大豆・チンゲン菜・モロヘイヤ・小松菜・切り干し大根など
○ 牛乳が苦手でも大丈夫!大豆製品や魚、緑黄色野菜にも多く含まれます。

ビタミンDを多く含む食品
きのこ・きくらげ・鮭・しらす干し・卵など

○ 吸収率アップのビタミンDは、15~30分程度の日光浴や外遊びでも体の中で増えます。
○ 寒い時期は室内遊びが多くなるので、天気のいい日は外で遊ぶ時間をつくりましょう。

カルシウムを多く含むメニュー
鮭ときのこのチーズ焼き・豆腐グラタン・モロヘイヤとチーズの春巻き・鯖缶カレー・切り干し大根サラダ・ミルクスープなど

③ ビタミンCと一緒にとりたい「鉄」

「鉄」は血液の材料になる他、発達や知能にも深く関わる重要な栄養素です。体の中で作られない上にカルシウムと同様に体への吸収率が低く、偏った食生活では容易に不足します。

鉄のとり入れ方
鉄を吸収されやすい形に変えるビタミンCとセットで考えます。レバーにはやや劣りますが、豆類や緑黄色野菜にも鉄は多く含まれます。たんぱく質と野菜を組み合わせたメニューにすると効果的にとり入れることができます。

鉄を多く含む食品
赤身肉・青魚・レバー・あさり・厚揚げ・納豆・豆乳・卵、小松菜・ほうれん草・枝豆・ひじきなど
○ 肉や魚は赤身のほうが鉄分を多く含みます。

ビタミンCを多く含む食品
ピーマン・ブロッコリー・カリフラワー・モロヘイヤ・ほうれん草・青のり・果物
○ みかんなどの柑橘類・キウイ・苺などを食後に食べるなどもおすすめです。

鉄を多く含むメニュー
厚揚げと小松菜の炒め物・ブロッコリーとあさりのシチュー・ひじき入り卵焼き・納豆とほうれん草の卵とじ・焼いた肉や魚にレモン汁をかけるなど

2. 効果的にとり入れるには

不足しがちな栄養素は、基本バランスを整えることで効果的にとり入れることができます。一度に大量にとるとバランスが偏り体への負担が大きくなるので、三食に分けることが大切です。栄養の基本バランスは、一食の中で

主食(ごはん・パン・麺)
主菜(メインになるたんぱく質)
副菜(野菜料理)

がセットになっていることです。 
不足しやすいたんぱく質やカルシウム、鉄は①の主食ではとりにくく、②や③を中心にとり入れていきます。おかずを選ぶときは、不足しやすい栄養素が多く含まれる食品を思い浮かべてみてください。

出典:厚生労働省ホームページ 「食育」ってどんないいことがあるの?
https://www.maff.go.jp/j/syokuiku/evidence/togo/html/part4-3.html

基本バランス例
例えば、ご飯+焼魚+野菜の煮物、パン+目玉焼き+野菜、サラダ丼+酢の物などの組み合わせが理想です。

【丼の場合】

中華丼のように1品に①②③がはいっているメニューもありますが、親子丼や牛丼、鶏そぼろ丼のように①と②だけの時は、野菜や海藻をプラスするのがおすすめです。

例えば、具だくさんスープ、胡瓜とワカメの酢物、ブロッコリーとしめじの胡麻和えなどを組み合わせると基本バランスが整いますよ。

また、幼児期の子どもは1回の食事量が少ないため、間食(補食)を①や③・乳製品や果物にして三食だけでは不足しやすい栄養素を補いましょう。

3. おわりに 

カルシウムや鉄は、おとなでも不足しているといわれています。とくに女性は月経があるため積極的にとり入れることが重要です。牛乳やレバーが苦手でも、食べるものやとり入れ方を工夫するだけで十分な栄養がとれるので、毎日コツコツ摂取していきましょう。

また、スナック菓子に頼りすぎずよく噛んで食べることも、吸収率を上げる大切なポイントです。子どもの「おいしかった!」という声を励みに、食から成長をサポートしていきましょう。

<ウェルサポについて>

臨床経験豊富なフレンドナース(かかりつけナース)が、利用者自身の身心の相談はもちろん、子育てや介護、ご家族の健康に寄り添ったオンラインのチャット相談を行っています。他にも、オフラインで行う定期訪問サポートやアテンドサポートなど行っています。社会福祉士、健康運動指導士、助産師、管理栄養士などの専門家や他サービスとも連携して、利用者とそのご家族の「自分らしい健やかな暮らし」をサポートしています。

一般財団法人ウェルネスサポートLab(ウェルサポ)情報
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電話番号:092-231-9762 

〇ライター紹介

西田美穂(にしだみほ)

管理栄養士歴20年。「若いうちから食事や栄養に関心を持てばよかった」「病気になる前の食事に気を配ればよかった」など食生活への後悔の声を多く聞く機会が多く、もっと食生活や栄養に関心をもってもらいたいとウェルサポの管理栄養士として活動中。最近の好きなことは「ちょっとだけ幸せごはん」と題して、自分や誰かが幸せになった食エピソードを聞くこと。プライベートでは高校生と中学生のママ。

ライター紹介

一般財団法人ウェルネスサポートLab 

ウェルサポ

臨床経験豊富な看護師がフレンドナース(かかりつけナース)となり、自身の身心の相談はもちろん、子育てや介護、ご家族の健康に寄り添ったオンラインのチャット相談を通して、「不安不調期から取り組む健やかな暮らし」のサポートを行う専門家チーム。

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