#子育て
多様性のある社会とは 親子で読みたい、いろいろな人と家族のかたちの絵本2選
KaRaFuRu読者の皆さまは、どんな場所で生活していますか?
日本語を話す日本人に囲まれたところで過ごしている方が多いのではないかと思います。(筆者もそうです)
ところが、最近では子どもの小学校や保育園にも外国籍の子どもたちが増えてきたことで、子ども自身は肌や髪の色が違うお友達も見慣れているのではないでしょうか。
また、テレビやYouTubeではLGBTと認識される方たちを見ることも増えてきたので、「どうしてあの人は男なのにスカートはいているの?」と子どもから質問を受けることもあるでしょう。そんな時、どのように答えていますか?
世界にはいろいろな人がいる、いろいろな家族のかたちがある。
いろいろな考えや価値観があることを伝えてくれる絵本をご紹介いたします。
1.せかいのひとびと
ピーター・スピアー/絵・文、松川真弓/訳
地球には60億人以上の人がいる。
この本を読むのに1時間かかるとして、読み終わるまでに9000人も増えている。
60億の人が手をつなぐと赤道を225周する。それは月までの距離の約23倍。
そんなにたくさんの人がいても、同じ人は一人もいない。
体の形、肌の色、目も鼻も顔もみんなちがう。
髪の毛だって、真っ白、真っ黒と違う色だし、まっすぐだったり縮れていたりもする。
音をたてるのが好きな人もいるし、うるさいのが大嫌いな人もいるから、お休みの日の過ごし方もみんなちがう。
お金持ちもいるけれど多くの人はそうじゃない。とても貧しい暮らしをしている人たちだってたくさんいる。
世界には主な言葉だけでも201の種類があるし、言葉の不自由な人たちは声をたてないでサインを使って話す。
誰もが思っていることも食べるものも着るものもなんでも全部同じだったら退屈。
この絵本の中では、とにかくいろいろな人がいることが子どもにも理解できるようにたくさんの絵で描かれています。
髪の毛や肌の色などの違いはもちろん、宗教の違いや、言葉の違いも分かりやすく描かれていると思います。
初版は1982年発行なので、記載されている数字は多少古いかもしれませんが、みんながみんな、それぞれこんなにちがっていることがすてきなことなのだ、と感じられる絵本だと思います。
2.いろいろいろんなかぞくのほん
メアリ・ホフマン/文、ロス・アスクィス/絵、すぎもとえみ/訳
ちょっと昔の本にでてくる家族は、たいてい、お父さんが一人、お母さんが一人、男の子が一人、女の子が一人、犬が一匹、猫が一匹と、こんな感じ。
お父さん、お母さんと暮らしている子どもが多いけど、
お父さんと子どもだけの家、お母さんと子どもだけの家。
お父さん、お母さんがいなくて、おじいちゃん、おばあちゃんと子どもだけの家。
お母さんが二人の家、お父さんが二人の家もある。
養子や里子として、家族に迎えられる子もいる。
学校に行く子どもはたくさんいるけれど、学校に行かずに家で勉強する子もいる。
学校がどうしても苦手な子もいる。
家族みんなで働く家もあるけど、誰か一人が働きに出る家もある。その一人はお父さんの家もあるし、お母さんの家もある。
みんなで一つの趣味を楽しむ家族もいるし、それぞれが違う趣味を持つ家族もいる。
家族は多かったり少なかったり、嬉しかったり悲しかったり、お金があったりなかったり、けんかしてたり仲良しだったり・・・。
だけど、たいていどの家族にもその全部があてはまるから、家族にはいろんな時があるもの。
昨今ではいろいろな家族のかたちがあります。
多くの絵本のように、お父さんが一人、お母さんが一人、男の子が一人、女の子が一人・・・という家族ばかりでもないでしょう。
子どもが成長するにつれ、たくさんの人と関わりあうなかで、そんな違いを当たり前のこととして受け入れてほしいなと思います。
まとめ
筆者の子どもたちは、保育園や小学校でいろいろな家族がいるということを実際に見ています。
大人同士であればお互いの家庭の事情に踏み込まない距離感を保つこともできますが、子どもは悪気もなく家族の状況を質問してしまうものですよね。
それを悪いことだ、質問してはいけないことだと教えることよりも、家族にはいろいろなかたちがあるんだよと教えてあげるほうがいいのではないかと筆者は考えています。
言葉で教えるのが難しい話題ではありますが、絵本を通じて伝わればいいなと思います。
rimos
小学生と保育園児の姉妹育児中のママ。金曜夜のビールが大好物。仕事も家事も時短命。