登園時のぐずり・いやいやの対処どうする?
イヤイヤは自立したい気持ちの表れ
登園時などバタバタしてる時に、子どもが「イヤイヤ」になったらどうしたらいいですか?
イヤイヤなっているその子に寄り添うとしたら本当は待ってあげられたらいいと思いますが、待つことでママも遅刻しちゃうとなればそうもいかないと思うんです。
イヤイヤには度合いや種類があるのではないでしょうか。
その時になんでイヤイヤなのか、実は子どもにとって理由がきちんとある。
例えば朝、靴を履くとき、「自分でやりたかったのに急いでいるママに履かせられちゃった」とか。
特にイヤイヤ期って自分でやりたいって気持ちが芽生える時なので、本人は自立したいと思っている。
だけどそれが自分の気持ちと身体の未発達な部分とがかみ合わないんです。
お母さんは急いでいるから「早く!」みたいな感じで履かせちゃう…。子どもは「自分でやりたかったのに」という気持ちを引きずったまま登園してしまう…。
そんな事はよくあるようです。
また、お洋服でも「これじゃないお洋服着たかったのに着せられちゃった」こととか。
子どもがイヤイヤしている理由に思い当たることがあれば、ぜひ保育士に教えてください!!
保育士は「あっなるほど、そういうことで泣いているのね」と理解してあげられます。
バタバタしていて、その時にお母さんが子どもの気持ちを受け止めてあげられなくても、登園した時に保育士が「靴を自分で履きたかったのねー、でもママも急いでたんだね」と言ってその気持ちに共感してあげたり、
「じゃあ、ここでもう一回自分で履いてみる?」と声をかけてあげたりと、こちらも何か手立てができるかなと思います。
ママとしては、本当はママがそこを理解して、もう一回やり直しする時間を持ってあげるのがいいでしょうね。
ママの気持ちの切り替えが子どもの気持ちの切り替えに
朝の準備でイヤイヤが長い期間続いているようであれば、イヤイヤする時間も考慮して早めに準備をするのがいいですね。
大変なんですけどね、丁寧にやろうとするならそれがいいかな、とは思います。
だけど働いてるとそんなこと言っていられないことってあるじゃないですか!
「自分が遅刻するーっ」てなるとか!(笑)
そういう時はもう保育士に「ポイッと預けちゃう」ことをオススメします!(笑)
保育士はプロなので、泣いてこられてもあの手この手で受け入れることができます。そこはもうプロだと思って信頼してお任せいただければ大丈夫です!
そこでママとしては、「悪かったな」と後ろ髪引かれる思いで不安になったり「泣いてる状況で預けて申し訳なかったな」と罪悪感を感じたりすると思いますが、子どもって敏感だからそこをすぐ感じちゃって逆に子どもが不安になってしまうんです。
えー!それ気にしてしまっていました。知らなかったです!
だから「お母さん仕事行ってくるからね!頑張ってくるからね!いっぱい遊んでおいで!」って笑顔で預けてあげた方が子どもも気持ちを切り替えることができるのではないでしょうか。
働くママとしては仕方がない時もあるでしょ。
でも生活を見直すことが可能なら少しゆとりを持って早く起きて、自分で準備させる時間を持たせてあげることができたらいいですね。
ちょうどイヤイヤ期はそういうことがあるので、イヤイヤできる時間も朝の時間の中に組み込んであげられると子どもも自分の思いを満たして登園できるかなと思います。
なるほど!
でもママにとっては簡単なことではないでしょうから、保育士に「今日はすみません、ちょっと間に合わないのでよろしくお願いしまーす!」と言って預けてもらえたらそれでいい。
お母さんの前で泣いてても、先生に渡されて急に切り替わって2〜3分経てば泣き止むことなんて結構あることなんです。だからそんなに心配することはないんですよ。
子どもが保育園帰りは毎日ニコニコしているとか、「楽しかったー」と言って帰って来ているのであれば心配ありません!!
大好きなママと離れることは、やはり淋しくて気持ちを切り替えることに少し時間がかかっているだけかなと思います。
親子のステキな絆あってこその風景ですね!!
だから、ぜひ「先生あとはお願い!」って言って預けてもらえれば!(笑)
分かりました!働いてるとイヤイヤ期の時は特に保育園の先生がいてくれて助かっています。
保護者と保育士の情報共有がサポートのカギ
それでも体調が悪い時のイヤイヤは保育園に預ける時、心配になったりするのですが…。
確かに、体調悪い時は心配ですよね。
そういう時は、連絡帳でも朝の引き渡しの時にでも「今日は体調が悪くて不調です」とか「機嫌が悪いです」など伝えてもらうことが大事ですね。
とくに子どもって体調が悪いと気持ちに直にでます。大人もそうですけどね。
だけど大人はそれをコントロールできる力があるけれど、まだまだ子どもはコントロールする力が未熟なのです。
ましてや1、2歳児のちょうどイヤイヤ期と重なったら「本当は休みたい、本当はママと一緒にいたい」という気持ちをどうしても表しちゃいますよね。正直な気持ちです。
だから保育士としてはそれを受け入れて
「きつかったんだね、今日はちょっと体調悪かったのね、じゃお熱計ってみようね。」というところから始まって、だんだん気持ちをほぐしていってあげます。
イヤイヤ期は自分をコントロールするのに時間はかかりますが、この時期を経てだんだん自分で切り替えが上手になっていきます。
本当その境目だから、イヤイヤ期って子ども自身ももどかしいと思う。
親子でイライラしてしまう時期かもしれませんが、でも実はそれってすごいこと!
だって今までずっと「抱っこ抱っこ」と甘えてた子が、なにかしてあげないといけなかった子が「自分で意思を発する」ということですから!
それって自分の存在に気がついたっていう時なんです!「僕はママやパパと違う人間だ」「違う存在なんだ」っていうことに。
あとは、「ママやパパが僕の言っていることをそれでも受け入れてくれるかな」や「こんな僕でも大丈夫かな」など、子どもが試す時もあります。
わざと泣くこともそうです。泣きの種類もいろいろありますね。
ただ甘えたいだけとか、なにかしら他に原因があるのでしょう。
その辺の理由は親としてなんとなく想像できると思うので、朝の受け入れの時のママの一言が保育士としてとてもありがたい。
そのことを伝えてくれると保育士としてもその時のその子の状況に寄り添ってあげられるから。
そうなんですね、朝の受け入れの時は保育士にちゃんと伝えることが大事になってくるんですね。
余裕があれば連絡帳に書いてもらっても良いですし、お子様を保育士に引き渡すちょっとした短い時間にでも一言伝えて頂けると助かります。
ちょっとしたその情報を、必ず朝礼で他の保育士や園職員全員と共有します。
そうすれば保育士たちは
「じゃあ今日は甘え欲求を満たすことに特化した保育をしましょう」
「今日はちょっと様子見ましょう」
などと考えて、いつもだったら抱っこしないで頑張れると思うところでも、わざと抱っこしてあげたりします。
そうやって毎日その子の状況に合わせて寄り添っていっています。
イヤイヤ期の子どもたちの気持ちって色々複雑ですけどね。1つ1つ満たしてあげたら大丈夫なんです。
イヤイヤになるってそこになにかしらの気持ちがあるってことを分かっていただけたら、それだけでもまずはいいかなと思います。
ゆき先生 プロフィール
幼児教育歴13年。常に子どもたちや働くママに寄り添いながら「待つ保育」をモットーに幼稚園や託児所、1歳児さんの親子教室を受け持つなど、あらゆる面からの幼児教育に関わる。
現在は「乳幼児期の子どもの幸せをもっと追求したい!!」とからふる保育園の園長として保育に携わっています。