365日からふるに子育て!第69回 乳幼児の脱水予防

「次世代へ健やかな未来をつなぐ」ウェルサポの助産師古賀です。
今年、九州北部は例年より約20日も早く梅雨明けし、一気に夏がやってきましたね。
皆さんもさまざまな暑さ対策をしながら、日々の暑さと向き合っておられることと思います。我が家の娘たちも暑い中の登下校や園生活で、毎日汗びっしょりになって帰ってきます。
この時期特に心配なのが「脱水」です。今回は乳幼児期の子どもの脱水について考えてお伝えします。

1.乳幼児は脱水になりやすい?
子どもの体内の水分量は、生まれたときが約80%、その後成長とともに約70~80%となり、大人の約60%と比べるとかなり多いです。
そのため、大人に比べてわずかな水分の喪失でも脱水症状になりやすい傾向があります。
さらに、以下のような要因が重なることで、脱水症状に陥るリスクがさらに高まりますので気をつけましょう。
・活動量が豊富
・自分で水分摂取をすることが難しい、「喉が渇いた」など自分から発信することが難しい
・感染症による発熱・下痢・嘔吐などを起こしやすい
子どものこのような特徴を踏まえて、日常的にいつもと違うに気づくことがとても大切です。
2.脱水のサインとは?
乳幼児は体の機能が未熟なため、わずかな水分の喪失で脱水になりやすく、急速に重症化する可能性もあります。
いつもと違うサインに出来るだけ早く気づいてあげることが大切です。
・口の中、舌、唇がカラカラに渇いている
・肌が乾燥している
・いつもより母乳やミルクを飲まない、授乳回数が少ない
・普段よりも水分をたくさん欲しがる
・普段に比べて元気がない、ぐったりしている
・不機嫌で泣き止まない、逆に無反応である
・泣いているのに涙が出ない
・顔色が悪い
・脈が速い、呼吸が速く荒い
・手足が冷たい
・大泉門(頭の柔らかい部分)が明らかに陥没している
・目がくぼんでいる
・数日間で体重が減る
このような症状があったら脱水の兆候です。いつもと違う症状がないかお子さんの様子をこまめに観察しましょう。
3.日常生活の中でできる脱水予防とは?
子どもは脱水になると急速に重症化する可能性があります。
特に暑い季節や、体調不良の時はより一層注意が必要です。脱水にならないために以下のことに気を付けましょう
・外出時は水や麦茶などを持参し、定期的に水分補給をする
・起床時、遊びに出かける前後、食事の時、おやつの時、入浴の前後、就寝前など、時間を決めて意識的に水分補給をする
・高温多湿を避け、室温は26~28℃、湿度は50~60%を目安に保つ
・体温が高くなっていないか、汗をかいていないか確認する、衣服の調整をする
・可能であれば、朝や夕方など比較的涼しい時間帯を選んで外出する
・外出時は日陰を歩く、日傘で直射日光を避ける、保冷剤や携帯用扇風機などを活用する
・発熱や下痢、風邪症状がある場合は、水分補給の頻度を増やす
小さなサインを見逃さず、こまめなケアを習慣にすることが大切です。

4.脱水症状に気づいた時の対処法は?
軽度の脱水症状であれば、こまめに水分補給をすることで回復しやすいです。
以下の点に注意して、水分補給をしましょう。
- 高温多湿の環境は脱水症状が進行しやすいため、室温・湿度を調整し、涼しい場所で水分補給をする
- 母乳やミルクを飲んでいる場合は、通常より頻繁に授乳をする
- 一度にたくさん飲ませると吐き気の原因になることがあるため、まずは一口ずつ、様子を見ながらゆっくり量を増やす。
ぐったりしている、反応が鈍い、呼吸が速く荒い、尿が出ていない、水分が摂れない、下痢や嘔吐が続くなど、お子さんの様子が明らかにいつもと違うと感じた場合は、迷わずすぐにかかりつけ医に相談・受診しましょう。
5.最後に
8月も中旬に入りましたが、まだまだ厳しい残暑が続きそうですね。
食事・睡眠・運動など、規則正しい生活を意識して、暑さに負けない体づくりをしていきましょう。
皆様、健康第一でお過ごしください。

<ウェルサポについて>
ウェルサポでは、臨床経験20年の看護師が最強のサポーターであるフレンドナース(かかりつけナース)となり、身心の相談はもちろん、子育てや介護、ご家族の健康に寄り添ったオンラインのチャット相談を行っています。他にも、オフラインで行う定期訪問サポートやアテンドサポートなどがあります。社会福祉士、健康運動指導士、助産師、管理栄養士などの専門家とも連携しています。
一般財団法人ウェルネスサポートLab(ウェルサポ)情報
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〇ライター紹介

古賀 晃子(こが てるこ)
助産師歴20年。
総合病院・クリニックの産科病棟で13年勤務。500名以上の赤ちゃんの誕生に立ち会う。結婚を機に退職し、現在はフリーランスとして活動中。
長女出産時の約30時間半で出産(長すぎて、入院から出産までにクリニックの助産師さん全員にお世話になりました)という壮絶なマタニティ体験と日々の子育ての中で、助産師という仕事がさらに大好きになりました。
プライベートでは、6歳、3歳、1歳の3児のママ。
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