365日からふるに子育て!第56回 ~冬を元気に過ごすための食事とは~
「次世代へ健やかな未来をつなぐ」
ウェルサポの管理栄養士、西田です。
気温がぐんと下がり、寒さが厳しい季節がやってきました。この時期になると、咳や鼻水、くしゃみや感染症など、日々の健康管理に気を使うことが多くなります。
少し前までは「子どもは風の子」といって、寒い中でも元気に駆け回る子どもの様子を表す言葉がよく聞かれましたが、現代の子どもは昔と比べて温度変化が少なく快適な環境で生活しているので、大きな環境の変化が苦手な子どもが増えているそうです。
寒さに負けない体をつくるためには、免疫をいかに活発に働かせるかがカギとなります。今回は食事を中心に、免疫機能を整えるヒントをお伝えします。
1.免疫とは、体を守る防御システム
人の体には、自分の体を自分で守るように働く「免疫」という防御システムが備わっています。しかし、子どもは細菌やウイルスなどに触れる機会がおとなより少ないため、十分な免疫を持っておらず、特に保育園や幼稚園、小学校などの集団生活では約200種類以上といわれる風邪を引き起こすウイルスと接する機会が増えるため、必然的に風邪をひく頻度が多くなります。
特に気温が低くなる冬は、おとなも子どもも体調を崩しやすくなりますが、これは平熱(36℃~37℃)で正常に働く免疫機能が、寒さによる体の冷え、鼻やのどの乾燥によって菌やウイルスが体内に入ってきやすくなるためです。
また、体温が1℃下がると免疫機能は30%低下し、逆に体温が1℃上がると5~6倍にもなるといわれており、日ごろから外遊びの習慣をつくるなど、体温を正常に保つ働きを発達させることが大切です。
2.子どもの体調と密接に関わる「腸」
腸と聞くと「食べものを消化吸収する場所」というイメージを思い浮かべる方が多いですが、実は免疫を支えている免疫細胞の約70%が集まる重要な場所です。
腸には、食べもの以外にも菌やウイルス、異物なども入ってくるため、白血球などの免疫細胞が異物を体内に入れないように守る働きをしています。つまり、腸内環境の良し悪しが、免疫細胞の働きや健康状態を左右することにつながります。
体温が低下する冬は腸の働きも弱くなりやすいので、これからの季節は特に腸を元気にする生活を心がけることが大切です。
3.腸内環境を整える生活
子どもの腸内環境は3~5歳までに決まるといわれていて、小さい頃の食事がこれからの成長に大きく影響します。
食事は1日3食、毎日一定の時間で食べること、食事内容は主食、主菜、副菜の3種類をそろえること、よく噛んで食べることは、風邪をひかないためだけでなく食育の一環としても取り入れたい食習慣です。
また、外で体を動かすことや太陽の光を浴びること、十分に寝ること、水分を摂ることなども免疫に関係するため、この時期には特に意識していきましょう。
4.免疫をサポートする食材
風邪をひきにくくするためには、おなかの調子を整えておくことが大切です。腸を良い状態に保ち免疫をサポートしてくれる食材をご紹介します。
- 根菜類:ゴボウ、レンコン、さつまいも
- 野菜:きのこ類:オクラ、モロヘイヤ、ほうれ草、玉ねぎ、舞茸、しめじ
- 海藻類:ワカメ、ひじき、あおさ、ところてん
- 発酵食品:ヨーグルト、味噌、納豆、ぬか漬け
- 果物:キウイ、バナナ、りんご
特に冬に旬を迎える食材には、体を酸化から守ってくれる抗酸化作用を持つものも多いので、必要な栄養素を効率的に取り入れることができます。
5.冬を健やかに過ごすためのおすすめレシピ
冬に旬を迎えるかぼちゃには、体を錆びさせる活性酸素を取り除く作用があるβカロチンやビタミンEが両方入っています。
生でも冷凍でも使いやすい方を選んで、汁物やサラダなど様々な料理活用してみましょう。
~かぼちゃのレンジ蒸し~
【材料】(2人分)
・かぼちゃ 100g(ワタと種を取り除く)
・塩 ひとつまみ
・バター 小さじ1
【作り方】
かぼちゃはワタと種を取り除き、お好みの大きさに切る
耐熱容器に①を入れて、水大さじ1を加えてふんわりラップし、電子レンジ(600W)で4~5分、かぼちゃが柔らかくなるまで加熱する
かぼちゃが熱いうちに塩を振り、バターをのせてできあがり!
子どもはおとなと比べて免疫機能の発達が未熟なので、何度も風邪をひくため心配が尽きません。しかし、その度に免疫を獲得して体が強くなっているので、免疫サポート食材や旬の食材を活用しながら、この冬も元気に過ごしましょう。
<ウェルサポについて>
臨床経験豊富なフレンドナース(かかりつけナース)が、利用者自身の身心の相談はもちろん、子育てや介護、ご家族の健康に寄り添ったオンラインのチャット相談を行っています。
他にも、オフラインで行う定期訪問サポートやアテンドサポートなど行っています。社会福祉士、健康運動指導士、助産師、管理栄養士などの専門家や他サービスとも連携して、利用者とそのご家族の「自分らしい健やかな暮らし」をサポートしています。
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〇ライター紹介
西田美穂(にしだみほ)
管理栄養士歴20年。「若いうちから食事や栄養に関心を持てばよかった」「病気になる前の食事に気を配ればよかった」など食生活への後悔の声を多く聞く機会が多く、もっと食生活や栄養に関心をもってもらいたいとウェルサポの管理栄養士として活動中。最近の好きなことは「ちょっとだけ幸せごはん」と題して、自分や誰かが幸せになった食エピソードを聞くこと。プライベートでは高校生2人のママ。
ライター紹介
言葉のしつけ。我が家がもっとも大事にしているのは『ありがとう』と『ごめんなさい』 #子育て コロナ禍の子どもの運動不足問題!わが家でやっている解消法公開します #ライフスタイル 先輩ママに聞いた!もらって嬉しい出産祝い5選 #ライフスタイル ママもたまには休みたい!子育てにつかれた時の息抜き方法とは #子育て