365日からふるに子育て!第52回 ~「実りの秋」がやってきた!親子で楽しむ旬の食材〜
「次世代へ健やかな未来をつなぐ」
ウェルサポの管理栄養士、西田です。
いつの間にか季節は秋に変わり、朝晩の冷え込みや木々の色の変化から秋の深まりを感じるようになりました。
夏の暑さで低下していた食欲が秋の過ごしやすい気候で回復し、食欲が増したように感じられることから「食欲の秋」とも言われます。
先日、子どもと一緒に買い物に行った先でたくさんの秋の味覚が並んでいるのを見て、「サンマが出てきたね」「夏はスイカだったけど、梨やぶどうに変わったね」「栗ご飯作ってみようか」など、旬を迎えた食材の話で盛り上がりました。
秋に食欲が回復するのは寒い冬に体が備えるためともいわれており、季節の食材を美味しくいただくことは、健康につながる大切なアクションとも言えます。
1.旬の食材は食べたほうがいいの?
日本には4つの季節があり、季節ごとに食べ頃を迎える「旬の食材」があります。
その特徴には、
①1年の中で最も栄養価が高くなる
②甘みや旨味など素材本来の味が凝縮されていておいしい
③収穫量が多いので手頃な値段になる
などがあります。
秋に旬を迎える食材には、夏の暑さによるダメージからの回復、これから迎える厳しい冬への備え、体調を崩しにくい体づくりなど、今の時期に摂っておいたほうが良いビタミン類やミネラルが豊富に含まれ、特にビタミンCとカロテンは秋から冬にかけて最も含有量が増える時期となります。
例えば、これから旬を迎えるほうれん草は、夏に収穫したものと比べてビタミンC含有量が3倍多くなり、ブロッコリーのビタミンC含有量も2倍に増えます。これは、成育過程の気温が低いことが関係していると考えられています。風邪などから体を守る免疫力に関係する栄養素なので、これからの季節は特に取り入れたい食材です。
また、ほうれん草には鉄分やビタミンA、ビタミンDも豊富で、特に鉄分は子どもや女性に不足しやすい栄養素なので積極的に利用しましょう。
2.「食育」は無理なく気軽に続けることが一番!
幼少期から健康的な食習慣を身に付けることは、子どもの健やかな未来のために欠かせない教育のひとつです。一度身に付いた食習慣は成長してからの見直しが難しいため、早い段階から取り組むことが大切だと言われています。
しかし「食育」と聞くと、「料理は手作りしないといけない」「品数を多くしないといけない」「食について何か教えないと」と考えて負担に感じるママやパパもいるかもしれません。ですが、何か特別なことをする必要はなく、普段の生活の中でできそうなことを選んで子どもと一緒に楽しく取り組んでいくとよいでしょう。
●子どもと一緒にできる「食育」5選~
- 子供と買い物に行って旬の食材を探す
- 旬の食材で興味があるものを食べる
- 子どもと一緒に料理をする
- 食べる前に心を込めて「いただきます」を言う
- 子どもと一緒に後片づけをする
旬の食材は、季節の変化を身近に感じることができる取り入れやすい教材です。味覚を育てる機会にもなるので、休日に子どもと買い物を行き、一緒に料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。
3.野菜の栄養を無駄にしない調理の工夫とは?
栄養がいっぱい詰まった旬の野菜ですが、調理方法によってはせっかくの栄養が失われることがあります。野菜の栄養を丸ごといただくコツをお伝えします。
●野菜の栄養を逃さない調理ポイント3選
1. 皮をむかずに丸ごと調理する
野菜の皮には食物繊維やビタミン類、アントシアニンなどが含まれます。人参、茄子、南瓜、さつまいもなど皮ごと食べられる野菜はなるべく丸ごといただきまましょう。
2. 電子レンジで加熱する
ブロッコリーやほうれん草は水に溶けやすいビタミンが多いため、電子レンジ調理にすることで栄養素の流出を抑えます。ほうれん草はあくが強いので、加熱後は水にさらしましょう。
3. 油と一緒に食べる
南瓜、人参、ほうれん草などの緑黄色野菜には、油と一緒に食べることで吸収率があがるビタミンが豊富です。油を使った料理や、脂身の多いひき肉と一緒に調理することで効率よく栄養を摂ることができます。
4.旬の食材丸ごとレシピ
食材の栄養を丸ごといただくレシピです。気温が下がってくる秋から冬は、体調や体の冷えにも注意が必要です。あたたかい料理で血行を促し、免疫力を蓄えていきましょう。
●野菜たっぷりシチュー
<材料 4人分>
1. 鶏肉
2. お好みの野菜(さつまいも、じゃがいも、南瓜、人参、玉ねぎ、しめじ、ブロッコリーなど)
3. 水
4. 牛乳または豆乳
5. ホワイトシチューのルウ(水分量に対して必要な分量)
<作り方>
1. 鍋で鶏肉とブロッコリー以外の野菜を炒める
2. 水を入れて煮る
3. 牛乳または豆乳を入れる
4. ホワイトシチューのルウを入れる
5. ブロッコリーを入れて出来上がり
5.まとめ
おいしくて栄養たっぷりの旬の食材は、季節感を感じる食育になるだけでなく、身心の健康や免疫力アップにもつながります。
買い物や食事の時間に子どもと食材について話をしたり、料理のお手伝いなどを通して親子で旬を味わってみてください。
<ウェルサポについて>
臨床経験豊富なフレンドナース(かかりつけナース)が、利用者自身の身心の相談はもちろん、子育てや介護、ご家族の健康に寄り添ったオンラインのチャット相談を行っています。
他にも、オフラインで行う定期訪問サポートやアテンドサポートなど行っています。社会福祉士、健康運動指導士、助産師、管理栄養士などの専門家や他サービスとも連携して、利用者とそのご家族の「自分らしい健やかな暮らし」をサポートしています。
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電話番号:092-231-9762
〇ライター紹介
西田美穂(にしだみほ)
管理栄養士歴20年。「若いうちから食事や栄養に関心を持てばよかった」「病気になる前の食事に気を配ればよかった」など食生活への後悔の声を多く聞く機会が多く、もっと食生活や栄養に関心をもってもらいたいとウェルサポの管理栄養士として活動中。最近の好きなことは「ちょっとだけ幸せごはん」と題して、自分や誰かが幸せになった食エピソードを聞くこと。プライベートでは高校生2人のママ。
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