保育園の園長先生が教える「子どもへの声かけ(褒め方編)」
子どもを褒めるとき、何て声かけしたらいいんだろう?
KaRaFuRu読者の皆さんは、最近子どもを褒める機会がありましたか?そういえば「すごいね」ばかり言っている気がする、そもそもどのタイミングで褒めるのが効果的なのか分からない、など、褒める行為に対して意外と悩んでいるママ・パパもいらっしゃるのではないでしょうか。
KaRaFuRuを運営しているスタイルクリエイト株式会社は、実は保育園も運営している会社です。そこで、からふる保育園の園長先生に「子どもへの声かけ(褒め方編)」として、実際にどのように声かけをしていらっしゃるのか直接インタビューしてきました。保育のプロの言葉を、ぜひご家庭でも参考にしてみてください。
褒め方についてですが、日頃どうやって褒めてあげたらいいですか?
実は私も褒めることについては反省することがあって。
その子がやった行動を褒めてあげるのがいいと聞いたことがあるんですね。
例えば、「みんなでお片づけしよー」となった時に片付けてくれますよね。そういう時に「わー片づけが上手だね、すごいねー」と言いそうですけど「わー助かったよー!」のように言うことがいいんです!
つい「すごいね」「上手に片付けたね」と言いそうになるけど、この「すごいね」「上手だね」って言うのは評価していることになるんだと保育の研修で何度も言われます。
それって保育士としてもついやってるって思って。それが子どもたちも喜んでくれると思ってたので。
そうしたら、子どもにとって褒められる=評価してもらえることが目的になっちゃうそうなんですよ。
褒めるならば、してもらった事でこちらは「早く片付いて綺麗になって気持ちよくなった」や「ママ助かったよ」とかですね。あと「やってくれてありがとう」って。
「ありがとう」っていう言葉がすごくいいので使うようにしています。褒めるというよりも、ですね。
もちろん「使い方が上手だね、上手にできるね」って言葉を使う時もあるんですけど。
「わーやってくれて嬉しかった、助かったなー」とか「ありがとねー」って言ったら、誰かのために何かをすることが喜びに感じるんですって!
「お手伝いしてくれてありがとう・助かった」など、その行動の「おかげ」がポイント
私はこのことを聞いた時に「あー確かにそうかも」って思い出したことがあって。
お家でお兄ちゃんは最初はお手伝いをしてくれてたけど、あまりしてくれない時期がありました。
そんな時、真ん中の子はよくお手伝いしてくれて、下の子の面倒をみてくれて。
その時に「わー助かったー、うれしー!」「ありがたーい」って伝えていました。
そういえばあの時すごく助かっていたなって。心からそう思っていました。
今でも私が大変な時は、自然とお手伝いしてくれます。私が遅い日はご飯を作ってもくれます。
言葉かけの効果は本当にその通りなのかもしれないと感じています。
どこを褒めるかっていう褒めポイントは「その子のその行動をしたことでどんなことがプラスに動いたか」みたいなところにポイントを置いて褒めてあげるといいのかもしれません。
「わー助かったー、そんなしてくれて嬉しいな」って。
結果だけじゃなくプロセスも理解して褒める
「100点とったからすごいね!」じゃなくてその前の段階があって、そこを頑張ったから取れたんですよね。その頑張ったところの行動を褒めてあげると良いんだそうです。
「100点とった!すごーい!」で終わるんじゃなくてね。
「えーどうやったら100点取れたの?」「ここで頑張ったからなんだね」とか!
「やっぱり毎日することが力になったんだね!」そう言って「凄いね!」って言うとまた違うんですね。「努力が出来るってかっこいい!」って!
そういう褒め方がいいようですね。結構難しいですけどね。
小さい時からそうやって「ママが助かったんだ、喜んでくれた!」「誰かのためになったんだ」ということを喜びに感じながら育っていくのと、「自分の評価のためだけに」と感じて成長していくのとでは全然違ってきます。それが少しづつ積み上がっていくから、褒められたことでまた自己肯定感が上がることに繋がっていますよね!
そこを意識してみたらいいのかなって、私たち保育士も意識しながら子どもたちとお話ししています。
ゆき先生 プロフィール
幼児教育歴18年。常に子どもたちや働くママに寄り添いながら「待つ保育」をモットーに幼稚園や託児所、1歳児さんの親子教室を受け持つなど、あらゆる面からの幼児教育に関わる。
現在は「乳幼児期の子どもの幸せをもっと追求したい!!」とからふる福岡東園の園長として保育に携わっています。