【保育園の調理士・栄養士にインタビュー】食育ってどんなことをするの?
「食育」って聞いたことありますか?
近年よく「食育」という言葉を耳にしませんか。子どもの「食育」に力を入れている家庭も増えているようです。実際にどんなことをやっているのだろう?と疑問に思うママも多いのではないでしょうか。
食育とは、人間が生きる上での基本の「食」に注目し、食べるだけでなく育てる・調理する過程など、様々な経験を通じて「食」に関する知識を学び、自ら「食」を選択する力を習得して、健全な食生活を実践できる人間を育てる、教育の一環です。
参考:農林水産省「食育とは」
KaRaFuRuを運営しているスタイルクリエイト株式会社は、実は保育園も運営している会社です。そこで、実際にからふる保育園で「食育」を取り組んでいる調理士・栄養士の先生に直接聞いてきました。
保育園での食育活動について
Q:どういう目的で取り組むようになりましたか?
A:まずは子どもが「食べる=楽しい!」と感じてもらうことが大切です。食に興味をもってもらいたいです。食べる意欲が高まると給食が楽しくなる。そう感じてもらえるようになることが目的の一つです。近年、野菜が苦手な子が多かったり、食わず嫌いな子もいたりと、苦手な食べ物があると食べることが嫌いになってしまう場合もあります。食べてもらうきっかけを作り、食べることが楽しいと思ってもらうために食育の時間を設けています。
Q:具体的な取り組みはどんな事をするのですか?また食育の取り組みがどんな風に子ども達の育ちに役立つのですか?
A:月に一度、調理士・栄養士でミーティングを行い、今月の食のテーマをまず決めます。テーマにする食材は、その時の旬な食べ物、季節の野菜や果物などです。テーマが決まると、各園で取り組みます。内容については、言葉で伝えることも大事なのですが、0.1.2歳児さんの中には、食材の色や見た目で嫌がる子もいます。いかにそのような部分を克服し、楽しく食べてもらえるかを工夫しています。
また言葉で伝えてもわからない場合もあるので、「目で見せる」、「触らせる」、「香りを嗅ぐ」など五感を使って楽しく伝えていくことを心がけています。
調理する上でのこだわりについて
Q:調理する上での安全面やこだわりを教えてください。
A:毎月のメニュー表は、からふる園の園児さんの年齢を考えて作成しています。食材の調達も新鮮食材を調達しており、また主食になるお米にもこだわっています。
(以前、お米へのこだわりをまとめた記事を発行していますので、ご覧ください)
【食育】子どもには欠かせない「お米」は元気に動くためのパワーの源!お米について知っておこう
おやつも手作りにこだわっているので、親御さんからは「嬉しい」とのお声をいただきます。歯ごたえも楽しんでもらえるように大きさや固さも意識しています。0歳児さんには、食べやすいように大きさや固さも変えています。また、アレルギーの子に対しても、その子専用のメニューを作ります。アレルギーの食べれない食材は入れず、それを補う栄養の食材を取り入れています。
実際の「食育時間」の取り組みをご紹介
からふる千早1号保育園
こちらでは、トウモロコシの皮むきに挑戦!
その後はおいしく食べました〜!
からふる千早2号保育園
こちらも同じく、トウモロコシの皮むき挑戦する様子です。皮付きのトウモロコシに児童は興味津々です!先生のお話を聞いた後は、みんな夢中に皮をむいています。
黄色い綺麗なトウモロコシが出てきて嬉しそう!
からふる港保育園
こちらの保育園では、野菜を半分に切って中身を見せています。「これは何のお野菜かな〜?」先生の掛け声に、何の野菜か興味を持って見ています。
いろんな野菜を並べて、芽が出るか実験中。園児たちは芽が出るのを楽しみにしているようです。
からふる六本松保育園
こちらの保育園では伝え方にも工夫しています。パペット人形を使って、パクパク食べる真似をして見せたり、よく噛んで食べる事を伝えたりすると、子どもたちは喜んで真似をしようとします。
この日は、「虫歯予防デー」でしたので、歯を強くする食材は何かを学びました。牛乳、ほうれん草、しいたけ、いりこなど、写真を見て食材の名前を答えていきます。
そしてその日のおやつには「煎りいりこ」です。0歳児さんにはボーロにして食べれるようにしています。みんなパクパク食べています!
よく噛んでいりこを食べています!
また最初の固い状態の材料を容器に入れて音を鳴らして見せました。その後に、茹でた材料を食べてもらいました。たったこれだけのことですが、園児たちは食材の変化に驚いていました。
このように食育時間に使った食材をその日の給食やおやつに出すなど、子どもが学んだことの繋がりが持てるように、一つの導線にして食育時間をもつことを心がけています。そうすることで、子どもたちの反応は大きく「さっきの食材だ!」と食べる意欲が出ます。
他にも、日頃から、その月の旬の食材のイラストをみんなが通る通路に貼って、毎日見てもらうようにしています。
本物に近いリアルなイラストを貼ることで、イラストを見て食べる真似をしたり、貼ってある食材が給食やおやつに出ると園児たちは食べてみよう意欲的になります。
そして、声かけも大切にしています。食べている時に「丸いねー」とか、オクラだと「星の形しているよー」食べると「シャキシャキするねー」など、声掛けをすることで、より興味が湧いて口にしてくれます。家でも出来なアイデアや工夫がたくさん詰まっていますね。
食べれなかった子が食べれるように!
素敵な体験も聞きました。食育の時間に、スナップエンドウのすじ取りをみんなで取り組みました。その日の給食にスナップエンドウを出した時に「今日お手伝いしてくれたスナップエンドウだよー」と声を掛けると、スナップエンドウが苦手なお子さんが「おいしー!」って食べてくれたそうです。
食育のおかげで苦手な食べ物を克服することができた瞬間ですね。食育とは「生きる力」を身につけていくとっても大事なことだと感じられます。
最後に食育の取り組みで大切にしていることを聞いたところ「小規模だからこそ子どもたちとの距離の近さをとても大切にしています。」と、からふる保育園の調理士・栄養士の先生は語ってくれました。先生方、お忙しい中インタビューにお答えいただきありがとうございました!
参照:からふる保育園の画像より
ライター紹介
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