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365日からふるに子育て!第13回~子どもの自律神経について考えたことはありますか?~

「次世代へ健やかな未来をつなぐ」、ウェルサポのフレンドナース古舘です。

「自律神経の乱れ」と聞くと、大人の症状と思われる方が多いかもしれませんが、最近では子どもにも起こる症状として注意が必要になっています。スマートフォン、ゲームなどのデジタル機器による生活の変化が要因とも言われています。

「朝スッキリ起きられない」「何となく元気がない」「グズグズが増えた」などの心当たりがある子どもさんは、自律神経が乱れているのかもしれません。自律神経の乱れが慢性化すると、起立性調節障害や過敏性腸症候群などの病気になることもあります。そこで今回は「子どもの自律神経を整える方法」についてお話します。

1.そもそも自律神経って何?

自律神経には交感神経と副交感神経があり、自分の意識とは無関係に内臓の働きを調節したり、幸せや愛情を感じる脳のホルモンの分泌の働きがあります。

  • 交感神経

緊張や興奮する状況ではたらく神経です。日中に活発になり、心拍数や血圧を上げて活動できる態勢を整えます。

  • 副交感神経

リラックスする状況ではたらく神経です。夜に活発になり、血圧や心拍数を下げてカラダを落ち着いた状態に整えます。

この両方が、状況の変化に瞬時に対応できるようにスタンバイしている状態が良い状態と言えます。例えば、交感神経だけが活性化していて副交感神経がスタンバイしていないと、臨戦体勢を解く状況になっても心拍数や血圧がなかなか下がらず動悸や高血圧が続き、不調を感じることになるのです。

2.自律神経が乱れる原因

自律神経が乱れる原因は「運動不足」「テレビ・ゲーム・スマホの普及」「姿勢不良」「生活習慣の乱れ」等が考えられます。

①運動不足

本来であれば運動することで心拍が上がったり、循環が良くなったり、筋肉が育っていく事がカラダにとって良い刺激になります。しかし近年、子どもの運動時間の減少や、それによる体力低下により、カラダへの良い刺激が減り、自律神経が乱れる原因のひとつとなっています。

②テレビ・ゲーム・スマホ

運動不足の原因となっているのが、子どもへのテレビ・ゲーム・スマホの普及です。「長時間同じ姿勢」で「画面を見続ける」ことで視神経が疲労するだけでなく、夜間においてはブルーライトの光刺激により交感神経の働きが高まり興奮し、身体が「休息モード」に切り替われずに眠りが浅くなり自律神経が乱れます。

③姿勢不良

スマホ・ゲームに加え、勉強中の姿勢も関係しています。前屈み・うつむき姿勢の作業が多いと、顔・肩が前に出てきてしまい、それに合わせて腰・背中は丸くなってきます。猫背・ストレートネックと言われるものです。ストレートネックにより首の筋肉が硬くなり、自律神経の乱れとつながります。

④生活習慣の乱れ

習い事やゲームなどで寝る時間が遅くなっていることが多いようです。身体を休める「副交感神経」優位の時間が少なくなり、寝つきが悪い、朝起きられない、朝食がしっかり摂れないなど、だんだんと自律神経が整いにくくなります。生活習慣の乱れは自律神経の乱れと直結しています。

3.自律神経のチェックをしましょう!

自律神経が乱れると、不安や緊張感が高まり、吐き気や頭痛、手足の痺れ、動悸、めまい、下痢や便秘、不眠、冷え性など様々な症状がみられます。

「食欲がない」「グズグズが増えた」「元気がない」「集中力がない」「落ち着きがない」「イライラが増えた」「朝スッキリ起きられない」「眠りが浅い」「夜なかなか寝付けない」などとして現れることが多くあります。子どもの日々の様子を観察しましょう。合わせて子どもと一緒に自律神経チェックをしてみましょう。 

✔️立ちくらみやめまいがする
✔️ずっと立っていると気分が悪くなる
✔️少し動くだけでも動悸や息切れを感じる
✔️朝、なかなか起きられず、午前中は元気が出ない
✔️顔色が青白い
✔️全身にだるさを感じる
✔️食欲がない
✔️緊張するとトイレに行きたくなる
✔️しばしば頭痛や腹痛を訴える
✔️乗り物酔いしやすい

3つ以上当てはまる場合は要注意。自律神経の働きが弱っている可能性があります他の病気が隠れている可能性もあるので、まずはかかりつけの小児科に相談してください

4.自律神経を整える方法

①睡眠時間を確保する(1~2歳 11~14時間/日、3~5歳 11~13時間/日、大人6~7時間)
②起床後はカーテンなどを開けて、まず朝陽を浴びる
③起床や就寝、食事など時間を決めた生活をする
④栄養バランスが摂れた食事をする(夕食は糖質を控え肉や魚などのタンパク質を摂る)
⑤お風呂に浸かる(温度は39~40度、入浴時間は10~15分)
⑥夕方以降(日没後)は間接照明(オレンジ色)にする
⑦就寝時間の1時間前からスマホ、テレビ、ゲームを避ける
⑧昼間はしっかり活動(遊び)する

5.さいごに

春は環境が変化する時期で、大人だけではなく子どもにとってもストレスが強くなりやすい時です。パパやママが日々の暮らしの中で意識して生活を整えてあげることが大切になります。子どもが笑顔で安心して過ごすために、パパやママも日々の暮らしを整えて健やかでいてくださいね。

<ウェルサポについて>

臨床経験豊富なフレンドナース(かかりつけナース)が、利用者自身の身心の相談はもちろん、子育てや介護、ご家族の健康に寄り添ったオンラインのチャット相談を行っています。他にも、オフラインで行う定期訪問サポートやアテンドサポートなど行っています。社会福祉士、健康運動指導士、助産師、管理栄養士などの専門家や他サービスとも連携して、利用者とそのご家族の「自分らしい健やかな暮らし」をサポートしています。

一般財団法人ウェルネスサポートLab(ウェルサポ)

webページ : https://www.wellsuppo.or.jp
メールアドレス:info@wellsuppo.or.jp  
電話番号:092-231-9762 

〇ライター紹介

古舘美妃(ふるたちみき)

ナース歴23年。福岡赤十字病院に21年在籍。緩和ケア認定看護師。
現在ウェルサポでフレンドナースとして活動中。プライベートでは小3女の子のママ。
<フレンドナースになったきっかけ/喜びを感じること>
地域でのびのび活動したかった。地域の皆さんの身近な存在となり、感情を共にできること。
<得意なこと>
人の話を聞くこと、間違い探し
<苦手なこと>
機械操作

ライター紹介

一般財団法人ウェルネスサポートLab 

ウェルサポ

臨床経験豊富な看護師がフレンドナース(かかりつけナース)となり、自身の身心の相談はもちろん、子育てや介護、ご家族の健康に寄り添ったオンラインのチャット相談を通して、「不安不調期から取り組む健やかな暮らし」のサポートを行う専門家チーム。

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