365日からふるに子育て!第9回~「風邪かな?」と思った時に食べるとよいものとは?~
「次世代へ健やかな未来をつなぐ」ウェルサポの管理栄養士、西田です。
寒い季節になると心配になるのが、子どもの風邪。咳や鼻水、鼻づまりで家族丸ごと何週間も悩まされるママやパパも多いのではないでしょうか。そんなときに少しでも早く回復できるように、今回は「風邪をひいた時の食事のポイント」についてお伝えします。
⒈ 冬に風邪をひきやすいのはなぜ?
「風邪」といえば、冬に流行するイメージを持つ方は多いのではないでしょうか。それは風邪の細菌やウイルスが低温・乾燥、つまりは冬の環境を好むからです。
① 乾燥
空気が乾燥すると、ウイルスの侵入を防ぐ鼻やのどの防衛機能が低下したり、咳やくしゃみでウイルスを含む飛沫が遠くまで飛びやすくなります。これらの条件が揃う冬の季節は、細菌やウイルスにとって生き残りやすい環境となり流行しやすくなるのです。
② 低温
細菌やウイルスなどの外敵から自分を守る力である「免疫力」と「体温」には大きな関係があります。気温の低下で体が冷えると、血液の流れが悪くなり、外敵と戦う免疫細胞が隅々に行き届かず、免疫力が下がり風邪をひきやすくなります。
⒉ 風邪をひいた時こそ食事を大切に
子どもの咳や鼻水が気になった時、どんな食事を準備しますか?風邪の細菌やウイルスと戦う時に、体の中ではビタミンやミネラル、たんぱく質やエネルギーなどが多く使われます。これらの栄養素を食事から補うことで、体力や免疫力が回復します。風邪をひいた時こそ、必要な栄養素をしっかりとることが大切です。
■ 「ビタミン」「ミネラル」
体の中でつくることができない栄養素で、食べものからとる必要があります。体の調子を整える働きがあり、特にビタミンの中でも「抗酸化ビタミン」といわれる「ビタミンA、C、E」には免疫の働きを助ける作用があります。体力が落ちているときこそとりたい栄養素です。他にも、ビタミンCやビタミンB群には免疫の回復を助ける作用があるので、これらが多く含まれる食べものも積極的にとりましょう。
■ 「たんぱく質」
のどや鼻の粘膜をつくる材料となり、風邪で弱った部分を補修してくれます。ウイルスと戦う免疫細胞の材料にもなるので、食事ができる状態の時にはたんぱく質を多く含む魚や肉、卵や豆腐などをしっかりとっていきましょう。
⒊ 風邪の回復を助ける食べものとは?
風邪の細菌やウイルスと戦うために、積極的にとると良いおすすめの食べものをご紹介します。
■ 子どもが食べやすい回復を助ける食べもの
- 野菜(ビタミン・ミネラルが豊富)
ブロッコリー・トマト・南瓜・人参・大根・カブ・モロヘイヤ・ほうれん草・小松菜・れんこんなど
- 果物(ビタミン・ミネラルが豊富)
りんご・バナナ・みかん・キウイフルーツなど
- 魚・肉・卵・豆腐(たんぱく質が豊富)
鮭・タラ、鯛(食欲がない時は白身魚が食べやすい)卵・豆腐・鶏肉や豚肉(脂身が少ない部位)
その他にも、熱がでた場合は普段より体の水分が奪われるので、水分をこまめにとることも大切です。
また、食欲がない時は、ゼリー、プリン、ヨーグルト、果物、果物缶など、子どもの好みに合わせた食べやすいものがおすすめです。水分や食事がとれない時は、経口補水液を利用して失われたミネラルやエネルギーを補い、食べられるようになってきたら消化によいメニューで回復を助けます。
⒋ 風邪のひき始めにおすすめの簡単レシピ
風邪の細菌やウイルスは熱に弱い特性があるため、雑炊や麺類、鍋やスープなどあたたかい食べものを食べることで体温が上がり、体の中をウイルスが苦手な環境にすることができます。風邪のひき始めに、特におすすめしたい栄養満点の簡単レシピをご紹介します。
🔳煮込みうどん
【材料】(うどん1玉分)
茹でうどん1玉/鶏肉や豚肉、白身魚など/ほうれん草や南瓜などの野菜(冷凍野菜の活用もおすすめ)※おとな用には、すりおろし生姜を入れてさらに免疫力アップ!
【作り方】
⒈ 鍋に水300㏄を入れ火にかけます。
⒉ 沸騰したら、肉や魚、野菜を入れて火を通します。
⒊ 火が通ったら、麺つゆ大さじ2、茹でうどんを入れます。
⒋ 煮立ったら、味噌小さじ1を溶き入れて出来上がり。
🔳りんごのレモン煮
【材料】(りんご1個分)
りんご1個、砂糖大さじ1、レモン汁小さじ2
【作り方】
⒈ りんごを食べやすい大きさに切る(皮付きのままでもよいです)。
⒉ 耐熱ボウルに、りんご、レモン汁、砂糖を入れてふんわりラップをする。
⒊ 600wで3分加熱。りんごがしんなりなったら出来上がり。
⒌ 風邪に負けない体づくり
普段から「食事」「運動」「睡眠」の3つを十分にとることで、風邪をひきにくい体づくりができます。寒い時期には手洗いやこまめな水分補給で予防をするだけでなく、いつも以上にしっかり睡眠をとることがで十分な予防ができます。食事面では、栄養価の高い旬のものや免疫力を高めてくれる食べものをとり入れ、風邪に負けない体をつくりましょう。
それでも風邪をひいてしまったら、回復を助ける食事をとりながら、体をあたたかくして早めに休むことで、風邪症状が長引くことを避けましょう。
⒍ さいごに
寒い季節は、空気の乾燥や体温の低下から風邪をひきやすくなります。風邪をひいたら、免疫力をあげる食事と共に、体をあたため早めの休息で体力の回復を目指します。日ごろから風邪をひきにくい体をつくる生活を意識し、元気に冬を乗り越えましょう。
<ウェルサポについて>
臨床経験豊富なフレンドナース(かかりつけナース)が、利用者自身の身心の相談はもちろん、子育てや介護、ご家族の健康に寄り添ったオンラインのチャット相談を行っています。他にも、オフラインで行う定期訪問サポートやアテンドサポートなど行っています。社会福祉士、健康運動指導士、助産師、管理栄養士などの専門家や他サービスとも連携して、利用者とそのご家族の「自分らしい健やかな暮らし」をサポートしています。
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〇ライター紹介
西田美穂(にしだみほ)
管理栄養士歴20年。「若いうちから食や栄養に関心を持てばよかった」「病気になる前の食事に気を配ればよかった」など食生活に興味・関心・知識がなかったことを後悔する声を多く聞き、もっと早くから食や栄養を知る機会をつくりたいとウェルサポの管理栄養士として活動中。最近の好きなことは「ちょっとだけ幸せごはん」と題して、自分や誰かが幸せになった食のエピソードを聞く
こと。プライベートでは高校生と中学生のママ。
ライター紹介
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