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365日からふるに子育て!第2回:子どもの運動能力を高めて、フレキシブルな身心づくりを!

「次世代へ健やかな未来をつなぐ」

ウェルサポの健康運動指導士、権藤です。

「健康運動指導士ってなにをする人なんだろう?」と、ご存知ない方が多くいらっしゃると思います。
健康運動指導士とは、個人の心身の状態に合わせた安全で効果的な運動を行うための運動プログラムの作成・指導を行う人のことを指し、運動指導の専門家として平成19年に「公益財団法人健康・体力づくり事業財団」によって設立された民間資格です。

私たちの体は20歳になるまでに身長や体重、脳や臓器など様々な部分が成長します。それぞれの部分に成長のピークがあることから、適切な時期に適切な刺激を与えると体を動かす基盤となる運動能力が高まっていくことがわかっています。

スキャモンの発育曲線

スキャモンの発育曲線とは20歳までの発育を100%とし、私たちの体の成長を「神経型」「リンパ型」「一般型」「生殖型」に分けて、発育時期や発育具合をグラフで表したものです。このグラフを読み解くことで運動能力を高めるのに適切な時期がわかってきます。

神経型は6才までにほぼ成長が完成する

「神経型」とは脳や神経の働きのことで、具体的には体を動かす器用さやリズム感を担います。6歳頃までにほぼ成長し、12歳にはピークを迎えます。3歳~12歳までは神経型の成長が著しく様々な神経回路が形成されていくことから「ゴールデンエイジ期」と呼ばれています様々な運動を体験することで運動能力が向上することから運動能力を高めるためのポイントとなる時期です。

リンパ型は思春期に成長する

「リンパ型」とは免疫力を強める扁桃やリンパ系の働きのことで、思春期に大きく成長します。外からの刺激で高めることはできませんが、食事や睡眠など基本的な生活習慣を整えておくことが大切です。

一般型は幼児期と思春期に成長する

「一般型」とは身長・体重・呼吸器・消化器などの内臓、骨、筋肉、血液などの働きのことで、誕生から幼児期までと思春期の頃に大きく成長します。

生殖型は14歳くらいから成長をはじめる

「生殖型」は生殖器系の成長のことで、この頃から男性ホルモンや女性ホルモンの分泌が活発になります。

【運動能力を高めるための成長時期に合わせた運動のポイント】

○幼児期

体を使った遊びや運動を十分に行って神経型の成長を促すこと。長時間集中力が続かない年代なので遊びながらカラダを動かすのが効果的です。

○小中学生

持久力などの粘り強さが身につく運動を行いましょう。

○思春期以降

骨格や筋肉が完成するため、力強さが身につく筋力トレーニングなどを行いましょう。思春期以前に過度な筋力トレーニングを行うと骨や筋肉の成長を阻害してしまうことがあるので注意が必要です。

参考論文:Scammon, R, E.(1930). The measurement of the body in childhood, In Harris, J, A., Jackson., C, M., Paterson, D, G. and Scammon, R, E(. Eds). The Measurement of Man, Univ. of Minnesota Press, Minneapolis.

運動能力を高めるポイントは「ゴールデンエイジ期」に神経型の成長を促すこと

「ゴールデンエイジ期」とは神経型が急激に成長しピークを迎える3歳~12歳頃を呼びます。

○3歳〜8歳

神経回路の発達が著しい時期です。体の動きの基礎となるバランス感覚やリズム感、器用さやしなやかさを身につけておくこと、さまざまな姿勢で手足を思い通りに動かすような遊びがおすすめです。

【この時期おすすめの親子遊び】

鬼ごっこ
つかまらないように逃げたり障害物を避けながら思いっきり走りましょう
ボール遊び
投げる・つかむ・とるなどの基本的な運動能力を楽しく習得しましょう
ジャングルジム
様々な姿勢で手足を思い通りに動かすことでバランス能力がアップします
ゴロゴロ転がり遊び
床に寝転んで両手を上に伸ばし、体を1本の棒のようにして床をコロコロと床の上を平行にまっすぐに転がることで全身の筋肉や関節を上手に使えるようになります
youtubeを見ながらダンス
リズム能力はもちろん、筋肉や関節をタイミングよく動かす能力がアップします

○9歳~12歳

お手本などの動作を見るだけで、動きのコツをつかみ、その動作を習得してしまうことが可能な時期。スポーツなどのスキルがぐんと上がります。

「ゴールデンエイジ期」に遊びや様々な運動を通して十分に体を動かし、「体を動かすことが楽しい!」「運動が好き!」という実感を得ることは、将来的な運動習慣の形成にもつながります。

幼児期から十分に体を動かしておくことは運動能力を高めることはもちろんのこと、身心の発達や健やかさにつながり、将来的に運動習慣を形成することにも役立ちます。

スポーツの秋、体を動かすことをぜひ親子で楽しんでくださいね。

<ウェルサポについて>

臨床経験豊富なフレンドナース(かかりつけナース)が、利用者自身の身心の相談はもちろん、子育てや介護、ご家族の健康に寄り添ったオンラインのチャット相談を行っています。他にも、オフラインで行う定期訪問サポートやアテンドサポートなど行っています。社会福祉士、健康運動指導士、助産師、管理栄養士などの専門家や他サービスとも連携して、利用者とそのご家族の「自分らしい健やかな暮らし」をサポートしています。

一般財団法人ウェルネスサポートLab(ウェルサポ)情報
webページ : https://www.wellsuppo.or.jp
メールアドレス:info@wellsuppo.or.jp  
電話番号:092-231-9762
 

〇ライター紹介

権藤蕗(ごんどうふき)

健康運動指導士歴18年。母親のパニック障害・膀胱癌以降、在宅看取りまでを父親と二人三脚で行う中で、周りの家族が自分らしく過ごすことの過酷さと大切さを実感。それを機に「健康なカラダとココロづくり」をモットーに運動指導を行う。現在ウェルサポで健康運動指導士として活動中。好きなことは筋トレと読書とピアノ。プライベートでは10歳の男の子と0才の女の子のママ。

ライター紹介

一般財団法人ウェルネスサポートLab 

ウェルサポ

臨床経験豊富な看護師がフレンドナース(かかりつけナース)となり、自身の身心の相談はもちろん、子育てや介護、ご家族の健康に寄り添ったオンラインのチャット相談を通して、「不安不調期から取り組む健やかな暮らし」のサポートを行う専門家チーム。

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