#子育て
「はじめてのおつかい」って何歳?どんな感じ?おすすめのロングセラー名作絵本
自分が子どもだった頃、はじめて一人で買い物に出かけた日のことを覚えていますか?私は覚えていません。
おそらく、家から一番近い小さな商店に何かを買いに行った(行かされた)ような気がしますが、実際にあった思い出なのか、夢の中で見た風景なのかが定かではありません。
しかし、今生きている人たちは、過去にきっと「はじめてのおつかい」を経験しているかと思います。そんな、身近なテーマを採り上げている絵本がその名の通り「はじめてのおつかい」です。
作:筒井 頼子
絵:林 明子
出版社:福音館書店
発行年:1976年
5歳の「みいちゃん」は、お母さんから牛乳を買ってきてほしいと、おつかいを頼まれます。小さな赤ちゃんを見ながら家事もしているお母さんは忙しいので、赤ちゃんのために必要な牛乳を、お姉ちゃんである「みいちゃん」にお願いするところからお話が始まります。
一人で外に出かけたことがないみいちゃんですが、預かった100円玉2枚を握りしめて、牛乳を買いに行くために勇気を奮って出かけます。
子どもだから、坂道を走ろうとしてこけてしまうんですよね…。手も足も痛い。しかもその拍子に、握りしめていた百円玉が手を離れて転がっていってしまうという衝撃の展開。
大事なお金が転がっていってしまったことの方が気になって、自分の怪我を気にする暇も無いとばかりに、100円玉を回収してまた走り出します。(危ないよ、気をつけて…)
お店に無事に着いてからも、まだ突破しなければいけない難関が待っています。
店主のおばちゃんが表にいないので、大きな声を出して呼び出すところから必要です。
みいちゃん、頑張って大きな声を出して「ぎゅうにゅう くださあい!!」と言うのですが、ちょうど通りかかった車の大きなエンジン音にかき消されて、店主のおばちゃんには声が届きません。いろいろ悪いタイミングが重なります…。
「はじめてのおつかい」って何だろう?どんな感じなのかな?と、子どもと一緒に予習できる作品です。冒険のようなドキドキ感もありながら、「こういう場合はどうすればいいのか?」という危機管理能力も身につくのでは。
自分が子どもだった頃を思い出しながら、懐かしみながら、子どもと一緒に改めて学んで考えるきっかけになりそうです。
そして、やはり林 明子さんの絵が見ていて楽しいです。
みいちゃんの家の中や、みいちゃんの住む街の風景、商店の中などが細かく描かれていて、細かいところまで楽しみが隠れています。
絵を描いている人や、ギターを弾いている人などが、街の住居の小窓から見えていたり、商店の周りを行ったり来たりする黒猫がいたり、気になるポイントがたくさんあります。
大人向けの小ネタとしては、みいちゃんの家の門に掲げられている表札に、「尾藤三」と書かれているんですよね。みいちゃんの苗字は「おとうさん」なのでしょうか…。