２０２１年の夏だからこその絵本「ないしょのオリンピック」

2021年、東京オリンピックが開催される予定です。（2021年6月時点）

開催されても開催されなくても、観客がいても無観客でも、せっかくなのでオリンピックに関連した絵本はないかと本棚を探してみたところ、ぴったりの絵本がありました。

今回ご紹介するのは、人間が出かけている間に家の中でこっそり開催される、家の中のものたちのオリンピックの絵本です。

ないしょのオリンピック

もとした いづみ／文、やまぐち かおり／絵

「夜、帰ってくるからね！」
「いいこで待っててね！」

飼い猫たちにそう言うと、家族は出かけていきました。

すると、家の中のものたちが台所のガスコンロで、ろうそくに火を灯し聖火を作りました。

聖火をもった人形聖火ランナーは、お父さんが銀行でもらってきたトーチくん。実況のアナウンサー人形は、1964年の東京オリンピックのときに誕生したものです。

オリンピックマーチにのって、ぬいぐるみやおもちゃや家の中の物たちによる選手入場が始まりました。

開会のあいさつはトーチくん。

「オリンピックはお祭りです。楽しくやりましょう！でたい人は誰でもどうぞ！オリンピックは参加することに意義があるのです」

聖火台に火が灯されると、まずはマラソンからスタートします。

子ども部屋代表は、ぬいぐるみの恐竜・ガオ。
玄関代表は、くつべらカエル。
リビング代表は、くまクッション…と各エリアから代表選手がでてきてマラソンに参加しています。

テーブルの上では、新体操が始まりました。ティースプーン、泡だて器、扇子などの選手たちがリボンを持って踊っています。

椅子の上ではやかんによる平均台や、吊り輪も行われているようです。

ソファではトランポリンが、カーペットの上ではサッカーが行われています。

台所は選手たちの休憩所となっているので、みんなドリンクを飲んだりフルーツを食べたりして休んでいます。

休憩所の横では、砂糖を砂にみたてた走り幅跳び、まな板の上では胡椒をピンポンにみたてた卓球の試合が行われています。

トイレへ行くと、便座の上ではトイレットペーパーを重りにしたウエイトリフティングが行われ、その横はマラソンのコースにもなってそのまま洗面所まで続いています。

お風呂場では浴槽に水をためて水球の試合が行われ、そのすぐ横をマラソン選手たちが走り抜けていきます。

2階のこども部屋では、ハードル走、砲丸投げ、ボクシング、柔道、サーフィンなど、多くの競技が同時に行われています。

オリンピックが盛り上がりを見せるなか、突然「ピンポーン」と鳴り響くインターホン…。

こんなオリンピックを見てみたい！

おもちゃやぬいぐるみだけでなく、家の中のあらゆる物が動いてオリンピック競技をくりひろげていく様子が、楽しそうに描かれている絵本です。

見開きいっぱいに描かれた、いつもと違う家の中でのオリンピックの風景がとても美しくて見入ってしまいます。

家族で読むとオリンピックが少し待ち遠しくなるかもしれませんね！

rimos
小学生と保育園児の姉妹育児中のママ。金曜夜のビールが大好物。仕事も家事も時短命。