365日からふるに子育て!第34回~親子で取り組む「ロコモ」予防~
「次世代へ健やかな未来をつなぐ」
ウェルサポの健康運動指導士、権藤です。
我が家には小学校6年生の男の子がいます。今年の秋頃に机に向かって絵を描いている途中、首を上げた瞬間に急に首が動かなくなり整形外科で頚椎捻挫との診断を受けました。2日程で治ったものの、不良姿勢や柔軟性不足などが原因で起こることが多いそうで、普段の生活習慣を見直すきかっけとなった出来事でした。
最近は幼い頃からゲームやメディアに触れる子どもが増えたことや屋外で安全に遊べる場所が減ったこと、生活が便利になったことで、以前に比べて子ども達が体を使う機会が少なくなりました。それによって子どもの体力が低下し、肩こりや腰痛、骨折や怪我などの子どもが増えています。私の周りでも特に新型コロナ以降は、子どもの転倒や骨折、怪我をよく耳にするようになったように思います。
骨や関節、筋肉や神経などの体を動かすのに不可欠な「運動器」の働きが衰え、立つ、歩くといった移動する動きがスムーズにできなくなった状態のことを「ロコモティブシンドローム(通称「ロコモ」)」といいます。高齢者に起こる症状だと思われがちですが、最近では子どもも注意が必要であることが指摘されています。今回は「子どもロコモ」のチェック法や親子で「子どもロコモ」を予防する方法についてお伝えします。
1.「子どもロコモ」とは
骨や関節、筋肉や神経などの体を動かすのに不可欠な「運動器」の働きが衰え、立つ、歩くといった移動する動きがしにくくなった状態のことを「ロコモティブシンドローム(通称「ロコモ)」といいます。本来は加齢による体の衰えによって起こるとされていますが、子どもの不良姿勢や運動不足によるバランスや柔軟性の低下などにより日常生活、学校生活、スポーツ運動生活に支障をきたしている状態、または支障をきたすリスクの高まった状態を「子どもロコモ」と呼ぶようになりました。「子どもロコモ」はそのまま放置すると、体を支える体幹が弱くなり、些細なことでもケガをしやすくなります。体幹の弱さは不良姿勢を招くので集中力や行動力にも影響を及ぼします。また、運動不足が続くと将来的にメボリックシンドロームをはじめとした生活習慣病にかかるリスクも高くなります。
2.「子どもロコモ」チェック!
「子どもロコモ」は簡単にチェックすることができます。5項目のうち1つでもできないものがあれば子どもロコモの可能性があります。下記の5項目は子どもに限らず大人も出来た方が良い動きばかりなので親子でチェックしてみましょう。
①バランス
両手を広げ、片足で立ちます。ふらふらせずに 5秒以上できるかを確認しましょう。左右両方試してみましょう。
②下半身の柔軟性
両膝を抱えてしゃがみます。足の裏を床につけたまま、後ろに転ばずにしゃがめるかを確認しましょう。
③上半身の柔軟性
両手を上に伸ばします。垂直に挙げることができるかを確認しましょう。
④肩甲骨と股関節の柔軟性
立った状態から前屈をします。両膝が伸びた状態で指先が床につくかを確認しましょう。
⑤上半身の動き
手でパーを作りながら腕を前方に伸ばしましょう。手首と指をしっかりと反らせることができるかを確認しましょう。
3.親子でできるオススメの運動
子どもロコモの予防のためには股関節周辺や肩関節周辺を柔軟に保つこと、バランス能力をアップすることが大切です。親子で楽しく取り組んでみましょう。
ぐるぐるまわり(肩甲骨周辺のストレッチ)
①子どもと向かい合い、肩幅より広めに両腕を広げ、両手を繋ぐ
②両手を繋いだまま同じ方向に回って背中合わせになる(「なーべーなーべーそーこぬけ」の要領で行う)
③手を繋いだまま向かい合わせに戻る
④逆回しも同じように行う
じゃんけん開脚(股関節周辺のストレッチ)
①子どもと向かい合い、両足をぴったりと揃えて立つ
②じゃんけんをして負けるたびに「つまさき」「かかと」「つまさき」「かかと」の順に足を少しずつ開く
③先にバランスを崩したりそれ以上脚を開けなくなったら負け
ジャンプ鬼ごっこ(骨を強くする)
「走る」鬼ごっこも楽しいですが、ジャンプで 追いかけたり逃げたりする鬼ごっこもおススメです。両足ジャンプ、片足ジャンプなど、ジ ャンプの仕方を変えて遊んでみましょう。
新聞紙バランス(バランス向上)
親子で向かい合い、それぞれ広げた新聞紙の上に立ちます。じゃんけんをして負けた方が新聞紙を半分に折り、小さくなった新聞紙の上に立ちます。何度かじゃんけんを繰り返していくと、片足立ちでないと新聞紙の上に立てなくなります。バランスを崩して倒れた方が負けです。
「子どもロコモ」はそのまま放置するとケガをしやすくなるだけではなく、将来的にメボリックシンドロームをはじめとした生活習慣病にかかるリスクが高くなります。ぜひ親子で楽しくカラダを動かしながら「子どもロコモ」の予防や改善に取り組んでみてください。
<ウェルサポについて>
臨床経験豊富なフレンドナース(かかりつけナース)が、利用者自身の身心の相談はもちろん、子育てや介護、ご家族の健康に寄り添ったオンラインのチャット相談を行っています。他にも、オフラインで行う定期訪問サポートやアテンドサポートなど行っています。社会福祉士、健康運動指導士、助産師、管理栄養士などの専門家や他サービスとも連携して、利用者とそのご家族の「自分らしい健やかな暮らし」をサポートしています。
一般財団法人ウェルネスサポートLab(ウェルサポ)情報
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〇ライター紹介
権藤 蕗(ごんどう ふき)
健康運動指導士歴18年。母親のパニック障害・膀胱癌以降、在宅看取りまでを父親と二人三脚で行う中で、周りの家族が自分らしく過ごすことの過酷さと大切さを実感。それを機に「健康なカラダとココロづくり」をモットーに運動指導を行う。現在ウェルサポで健康運動指導士として活動中。好きなことは筋トレと読書とピアノ。プライベートでは11歳の男の子と1才の女の子のママ。